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「みりん」をスイーツに…!? エキスパートが教えるみりんの正しい使い分け

  • 2022年6月8日
  • レタスクラブニュース


スーパーのみりんコーナーに行くと、色んな種類のみりんが並んでいますよね。

本みりん、みりん風調味料、発酵調味料(みりんタイプ)…。購入する時、この種類を意識して選んだことはありますか? 

私はといえば、いつもなんとな~く選んでいました。「本みりん」は本物、「みりん風調味料」は本みりんに味を似せたもので、「本みりんの方が値段も高めだし、きっと料理もおいしくなるに違いない!」そんな感じで選んでいました…。

ところが、みりんを作り続けて120余年「日の出みりん」で知られるキング醸造さんによれば、みりんにはそれぞれ料理に適した得意分野があるとのこと! そこで、今さら聞けないみりんのイロハを教えてもらいました。

前回「キング醸造」に教えてもらった料理酒についての記事はこちらをチェック!

実はみりんはお酒なんです!

まずは素朴な疑問から。みりんって調味料なのになぜかアルコールが含まれていますよね。これって何でなんでしょうか?

「本みりんはもち米に米こうじを加えてもろみを生成し、糖化・熟成させて作れられる調味料。つまり、日本酒と同じような作り方をしています。この製法は昔からほとんどかわっておらず、製品として出荷されるまでに3~4ヶ月ほど、時間をかけて丁寧に仕込んでいるんですよ(キング醸造 マーケティング本部 竹山さん)」


本みりんを一口飲んでみると…まろやかな甘さですっきりとした後味。意外と飲み物としてもイケる?と思ったら、地方によってはみりんをお酒として嗜んでいる地域があるんだそうです! でもなんで日本酒と違って甘いんでしょうか?

「みりんが日本酒よりも甘くなるのは、もち米を熟成させる過程で生成されるブドウ糖やオリゴ糖によるもの。この時一緒にアミノ酸や有機酸、香気成分なども生成され、みりんに特有の風味が加わります。この複雑な旨みが料理にコクを与えてくれるんです(竹山さん)」

煮ものや照り焼きにみりんを使うと、砂糖よりもまろやかに仕上がるのは、熟成する過程で生まれる自然な甘みとコクによるものだったんですね。


「甘みだけでなく、てりやツヤをつける効果や味をしみ込ませやすくする性質もあるんですよ。みりんというと和食のイメージが強いかもしれませんが、洋風の肉料理や魚料理、マリネにもよく合うのでぜひ使ってみてください(竹山さん)」

特に純米本みりんは、一度使うとほかのみりんに戻れないという人も多いほど上品な甘みと濃厚なコクを併せ持っているそうです! 興味がある方は、高級なみりん(といっても500円以下!)もぜひお試しを。


ノンアルコールのみりん風調味料は超万能!

続いては「みりん風調味料」。みりん“風”というネーミングのため、本みりんに似せたニセモノかと思っていたら、それはどうやら大きな勘違いだったようです…。


「みりん風調味料は水あめと、米・米こうじの醸造調味料、酸味料などで作られています。本みりんと製法は異なりますが、その調味効果はほぼ同じ。むしろ甘さをつけたり、てりやつやを出す働きは、本みりんよりも優れているんです(竹山さん)」

なるほど…では、どうやって使い分ければいいんでしょうか?

「みりん風調味料のメリットはアルコール成分をほぼ含んでいないこと。アルコールを飛ばす必要がないので、子供向けの料理にも使いやすいのがメリットです。ほかにもサラダのドレッシングに使ったり、果物を漬けたり、火を使わない料理にも気軽に使えます(竹山さん)」

みりん風調味料で果物を漬ける…!? 

「みりん風調味料はスイーツにも最適なんですよ! プリンやフレンチトーストに使ったり、ピザにそのままシロップのようにかけていただくのもおすすめです(竹山さん)」

みりん風調味料を一口なめてみると、まろやかな甘さでほのかに酸味が広がる味。話を聞いているうちにじわじわ興味が湧いてきたので作ってみました。みりんスイーツ!

砂糖よりもすっきりした甘さ…みりん風調味料×スイーツって意外とおいしい!

まずは「果物のみりん漬け」から。柑橘系のフルーツがおすすめということで、今回はオレンジ、グレープフルーツ、キウイをチョイス。適当な大きさにカットして保存容器に入れ、みりん風調味料を果物が浸るくらいまで注ぎ、冷蔵庫で1晩漬け込みました。


本当においしいのかな…と半信半疑で食べてみると、すっきりとした絶妙な甘さにびっくり! まろやかな甘さを感じつつ、でも果物の酸味はちゃんと残っていて、とってもおいしい一品でした。

グレープフルーツやキウイが苦手な7歳の息子も、「いつもよりおいしい!」と笑顔で完食。甘さ控えめという点も、親として安心できます。ヨーグルトにのせたり、炭酸水を混ぜてフルーツポンチにしてもおいしそう!

続いては「フレンチトースト」。牛乳、卵、そして砂糖の代わりにみりん風調味料をあわせた卵液にバゲットをたっぷり浸して、両面こんがりと焼くだけです。



肝心のお味はというと、砂糖よりもほんのりやさしい甘さ。砂糖は溶かすのに時間がかかりますが、みりん風調味料はもともと液体なので卵液を軽く混ぜるだけでさっと作れます。忙しい日はこういうちょっとした時短が本当に助かるんですよね。

「みりんにはもう1つ、塩を加えた発酵調味料(みりんタイプ)があります。こちらも本みりん、みりん風調味料と調味効果はほぼ同じ。塩を加える手間が省けるので濃い味の料理に便利ですよ(竹山さん)」


みりんにそれぞれ得意分野があるというのは、こういうことだったんですね。みなさんも今度スーパーのみりんコーナーに行ったら、種類の違いをチェックして自分の家庭に合ったみりんを選んでみてください。

風味やコクを大切にしたい煮ものや照り焼きは「本みりん」
サラダやスイーツなど火を使わない料理には「みりん風調味料」
味の濃い料理には塩が含まれている「みりんタイプ」

こんな感じで用途に合わせて使い分けることができたら、あなたも立派なみりんマスターですよ♪

文=齋藤久美子

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