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Vol.66 農業への取り組みがどうしてエネルギーの話になるのかというと…。

  • 2011年2月10日

 

 みなさん、こんにちは。全国ツアーがいよいよ佳境に入ったゴスペラーズ、北山陽一です。

 じつは、そのツアーのステージのMCでもこの連載で宣言した今年の目標をアピールしています。それくらいやらないと目標達成に向けて動き始めないと思ったので、そういう形で自分で追い込んでいるわけです。で、その目標が日妄研の新年会でも話題になり、「僕としてはさしあたって土地を探しているんだけど、農業だけをやりたいというわけではなくて、予算も含め協力してくれる所があればいろいろな実験がしたい」と。特にエネルギー自給実験をやりたいんだという話を僕がしたら、メンバーからいろいろな情報が出てきました。一人は房総でシェアハウスをやってて、もうひとり長野にもいい人を知ってるという人間がいて。エネルギーの話で言えば、マイクロ水力発電とかリニューアブル水素とか。というわけで、この話題に積極的な連中と近々ミーティングします。

 そうしたミーティングの結果報告も折にふれてやっていくつもりですが、そもそも僕の目標の話がなくても、土地なら土地というリソースを浮かしておくのは本当にもったいない話で、そういう問題をどう面白くみんなの前に表出させるかということを考える人間は絶対に必要なんですよね。わが日妄研は、そういう意味で面白い人が集まっていると思ってるんですが、例えば土地の話で言えば、いま各地で問題になっている休耕田や休耕地を、そういう言い方ではない形でドンと人の前に差し出すということですよね。で、そういう新しいアイデアが出てくるためには関わる人間の農業に関する知識についてはモザイク状でいいと思うんです。すごく詳しい人もいれば、「虫を見るだけで駄目!」みたいな人もいて、そういう人たちが集まって「ああだ、こうだ」やるからこそ、面白いものになっていくんじゃないでしょうか。

 僕自身の立場ははっきりしていて、“死ぬまでにはこういう生活をしたい”というイメージを実現したいということなんです。で、その具体的な内容については、僕個人としては例えば“電気がなけりゃ、ないでいいよ”みたいな感じなんですが、かと言って極端に質素な生活ぶりになって“変人が苦行に取り組んでいる”みたいなふうに受け取られるのもつまらないので(笑)、せっかくなら誰もが“これ、凄い!オレも、こういう生活したい”と思うようなモデルを示すことができるのがいいですよね。で、そのために新しいシステムを提示するわけですが、例えばいままでお母さんから節電をうるさく言われるのを鬱陶しく感じていたお父さんが太陽光発電システムを入れて発電量と電力使用量が目に見えるようになったら、いきなりマメに電気を消すようになった、なんていう話があるじゃないですか。そのお父さんにしてみれば、世界が変わった感じがしてると思いますが、じつはそのお父さん自身が変わったんですよね。僕としては、新しいシステムの提示を通して、そういう事態を引き起こしたいんです。自分が使うエネルギーを自分で作るということがどれだけ楽しいかっていう。

畑  ところで、自分で使うエネルギーというと、例えばスイッチを入れれば部屋が温かくなるとか、あるいはスイッチを入れれば明るくなるとか、そういうことが思い浮かぶと思いますが、自分のなかで使うエネルギーを作るものは何かと言えば食べ物ですよね。その食べ物を自分で作るということが、僕のなかではエネルギー自給ということのじつはいちばんの肝なんです。北山は「農業に取り組める環境を」と言っていながら、なんでエネルギーの話が出てくるんだ?と思われていた人もいるかもしれませんが、僕のなかではエネルギー自給の話と農業はそういうふうに真っすぐつながっているわけです。

 この“北山プロジェクト”(仮)の進行状況は随時お伝えしていきますので、どうぞお楽しみに。


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