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Vol.12 京太の放課後

  • 2012年6月21日

 今年で14回目となる「ショートショートフィルムフェスティバル」が、6/15から6/30まで東京と横浜で開催されています。ここで上映される「京太の放課後」という短編映画の音楽を担当させてもらいました。英語の先生役として、ちょっぴり出演もしています。

「京太の放課後」 

 この映画は群馬県桐生市に住む10歳の少年の物語。彼には防災ずきんと単語帳という、手放せない2つのアイテムがあります。そこにイギリスのスコットランドから、ティム先生がやってきました。かつて京太のいる学校で英語を教えていたものの、東日本大震災をきっかけに本国に帰ってしまっていたのですが、再びここで授業をすることになったのです。

 しかし防災ずきんを常にかぶり、いつまた来るかもしれない大地震を人一倍恐れる京太には、どうしてティム先生が日本に戻って来たのか不思議でなりません。ふと街で見つけた先生を尾行するうちに、使い古した単語帳を使った片言の英語のコミニュケーションが始まり、ちょっとした勘違いから小さな事件も巻き起こします。そして単語帳に書かれていた言葉たちの意味とは、、、。震災をテーマにしながらも、どこか心温まるコメディも散りばめられたストーリーになっています。

「京太の放課後」

 

 実際の僕らの生活のなかでは、地震の活動期の影響もあり、ふいの揺れや警報で夜中に起こされることもいまだによくあります。口には出さなくても、心のなかに決して小さくはない不安を、子供や大人を問わず誰もが抱えています。危険に対する認識の大きさも人によってかなり違いますね。京太にとっての防災ずきんは、まさにそのふたつの意識が大きく振れたときの具象化に変わりありません。

 

 そういえば僕も小学生の頃は、防災ずきんをよく使っていました。母親が作ってくれた手づくりのずきんを、教室では座布団代わりしていました。角からゴムが出ていて、それを背もたれに引っ掛けたりして。1970年代に当時の地震予測を機に普及したそうですが、地域によって差があり、東海〜関東地方にかけてはよく使われていたそうです。現在ではとくに震災後、再び普及し始めたのではないでしょうか。そもそもこの形状は、戦時中の防空ずきんから来ているそうです。

左からHARCO、土屋楓くん、アンディ、大川五月監督
左からHARCO、土屋楓くん、アンディ、大川五月監督
 この映画の監督は大川五月さんというニューヨーク在住の女性で、たまたま僕と同い年でした。このために来日し、短期間で撮影と編集をこなしていました。そして僕の自宅スタジオに何度も通ってもらって、音楽を緻密なところまで含めて一緒に作り込んでいきました。サウンドトラック制作にまだ不慣れな僕なのですが、たくさん助言をしてくれたおかげですごく勉強になりました。

 出演は京太役に子役の土屋楓くん。またそのお母さん役として清水美沙さんが出演しています。ティム先生を演じたアンディとも、先生役同士、一日限りの撮影でしたが仲良く話せました。僕の英語は京太以上に片言だったかもしれませんが、、、。

 「京太の放課後」のショートショートフィルムフェスティバルでの上映スケジュールはこちらからどうぞ。また、7/29の「きこえる・シンポジウム」でも上映します。この日はNPO法人プラス・アーツの永田宏和さんによる「地震ITSUMO講座」と、ライブも予定しています。映画や音楽とともに、これからの新しい防災対策を学んでみませんか。

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