サイト内
ウェブ

京都よりみちこみち 木屋町通【前編】

  • 2023年3月19日
  • ことりっぷ


春爛漫、こぼれるように咲く桜の花に、誰もが笑顔になる木屋町通。通りに沿って流れゆく高瀬川のせせらぎを聞きながら、随所に残る歴史の片鱗と、京都ならではの素敵なお店を探しにでかけてみませんか。
京都が薄紅色に染まる春、数ある桜の名所のなかでも、鴨川と河原町通に挟まれた木屋町通はアクセスもよく、お花見しながら気軽にさんぽが楽しめると人気です。通りに寄り添うように流れる高瀬川も、春爛漫の景色を引き立てます。夜になると飲食店がひしめくあたりでは、灯りのさんざめく繁華街の顔になりますが、昼の表情はいたって穏やか。のんびりと町あるきができますよ。
花と川が織り成す風景を愛でるなら、空気が澄み渡る朝におでかけするのもおすすめです。ちょっとした科学実験の体験や心鎮まる寺院での参拝、細い路地奥にたたずむショップを探し、クラシカルな名喫茶や緑の広場で休憩しつつ、素敵な出会いを求めて気ままにさんぽしてみましょう。
地下鉄京都市役所前駅から徒歩3分の「島津製作所 創業記念資料館」。世界に知られる精密機器メーカー・島津製作所の本店と、創業者である島津源蔵父子の住居を兼ねていた建物を資料館として公開しています。
館内には、国産のレントゲン装置「ダイアナ号」をはじめ、多くの理化学器械、標本などを展示。科学って面白い!と思える実験コーナーも人気です。時代の要請にいち早く科学で応えてきた島津の歴史とともに、物づくりにかける情熱に触れてみませんか。
地下鉄京都市役所前駅からすぐ、細い路地をたどってゆけばガラスの扉が迎えてくれるショコラトリー、「サロン ド ロワイヤル 京都店」。1935(昭和10)年創業の老舗チョコレートメーカーが営む高級感ただよう店内では、眺めるだけで幸せな気分になれそうな宝石のようにきらめくショコラやチョコを生かしたケーキがお待ちかねです。
ショーケースに並ぶチョコレートは、日本酒や柚子、ワサビや豆腐などの和素材が使われているものも多く、バラエティー豊か。併設のカフェでケーキセットを注文すると、チョコレートとピーカンナッツチョコレートが添えられるうれしいサービスもありますよ。
「本家月餅家直正」は、創業から200年以上の時を重ね、地元民のみならず観光客からも愛されてきた和菓子の老舗。香ばしいきな粉をまとい、なめらかなこしあんが包まれたふるふるのわらび餅は大人気商品。12時頃からの販売で予約しておくのがベターです。
初代が考案し命名した看板商品の月餅(つきもち)は、中に白あんが入り、皮を飾るケシ粒は月の表面を表したとのいわれもある店名の由来にもなった名物です。
木屋町通に面する山門から参拝者を迎える「瑞泉寺」。安土桃山時代、謀反の疑いにより高野山で切腹し、28年の生涯を閉じた豊臣秀次公に続き、鴨川の三条河原で秀次公の妻子や侍女39人もが斬首されるという惨劇が起こりました。のちに角倉了以が、秀次公御一族を弔うために寺院を建立し、瑞泉寺と名付けたのが始まりです。
境内の中央奥には、秀吉の甥の秀次公の石櫃、両側には御一族や家臣の石塔が並び、秀次公御一族を慰めるかのように四季折々の花が咲きます。
創業は1932(昭和7)年、汁物を主役にした店として知られる「志る幸」は、阪急京都河原町駅からすぐの場所にあります。
名物の利久辨當(りきゅうべんとう)は、かやくごはんと5種の肴に風味豊かな汁物がつき、すべてがしみじみとおいしい味わいです。季節のかやくごはんに、半熟卵や焼き物、鶏の旨煮、ワケギのヌタなどが付き、汁物でおなかも温まります。 
幕末、幕臣や志士たちも闊歩した路地に立ち、白く大きなのれんが目印です。井戸水で丁寧にだしを取り、「はまぐり」を「はまくり」にするなど、汁が濁らぬようにとの思いから具材名には濁点をつけないそう。人気の具、大和芋をすりおろして丸めた「おとしいも」もじっくり味わって。

あわせて読みたい

キーワードからさがす

gooIDで新規登録・ログイン

ログインして問題を解くと自然保護ポイントが
たまって環境に貢献できます。

掲載情報の著作権は提供元企業等に帰属します。
Copyright (c) 1996- 2024 Shobunsha Publications All Rights Reserved.