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威風堂々とした登録有形文化財のカフェで過ごすレトロな時間♪秦野「カフェ いがらし」

  • 2023年1月19日
  • ことりっぷ


昭和初期に完成した重厚な建物の1階にのれんを掲げる「カフェ いがらし」。レトロな3階建ての建築はもともと荒物や乾物などを扱っていた「五十嵐商店」の店舗で、往年の雰囲気そのままに今はカフェとして訪れる人々を温かく迎え入れます。気さくなマスターが淹れるコーヒーとキュートなスイーツでのんびりとした時間を過ごしませんか?
神奈川県北西部に広がる丹沢の山々を望む秦野市は、ハイキングや登山、森林浴などで都内からも訪れる人の多くアウトドアスポットとしても人気のエリアです。江戸時代の末期から昭和初期にかけてタバコの栽培が盛んで産業の要所として栄え、その頃に建てられた重厚な建物が今も点在します。大正ロマンを感じさせる「五十嵐商店」の3階建て建築もその一つで、1階の「カフェいがらし」では、美味しいコーヒーがいただけます。
国の登録有形文化財に指定されているこの建物は、大正13年に建てた木造家屋を昭和3年にモルタル3階建てのイタリアルネッサンス様式に増改築したもので、正面の彫溝のある太い角柱やその上部のレリーフの彫刻などまるで銀行のような外観です。引き戸を開けて中に入ると、壁の棚一面に籠や日用雑貨など商いをしていた当時の品物が陳列されていて、およそ1世紀前の日本にタイムスリップしたかのようです。
五十嵐商店は荒物と乾物、日用雑貨を商いとしていたお店です。藤で編んだ籠や竹の熊手、農作業で使う籐箕(とうみ)、棕櫚(しゅろ)のほうきなど、昭和の初めごろまで日常で使われていた道具が並び、なかには販売できる品物もあるのだとか。砂糖や豆などの乾物は量り売りをしていて、棚のレトロな量りが当時の様子を物語ります。
お店の中は土間と畳の部分があり、畳縁(たたみべり)は縁起のいい達磨の模様がユニークで座布団に座ると気持ちもほっとします。黒電話や五つ玉の大きなそろばん、ゼンマイ式の柱時計など少し前の時代に親しまれていた道具に囲まれて過ごすのは、心も和む特別な時間。モチモチとした太麺のスパゲッティー「ナポリタン」をはじめトーストやカレーなど昔ながらの喫茶メニューが充実しています。
お店をきりもりするのは店主の小野文男さんです。若い頃に老舗のコーヒー専門店で活躍していた経験があり、オーダーごとに豆を挽いてコーヒーを淹れる本格派。カップ1杯の少量をハンドドリップで淹れるのは難しいといわれていますが、小野さんの手にかかるとふんわりと膨潤しながら抽出がはじまり、すっきりとしながらも深みのある味わいに。ブルーマウンテンやマンデリンなど8種類ほど取り揃え、ウィンナーコーヒーやキャラメルコーヒーなど幅広いラインナップです。
スイーツは「ガトーショコラ」や「ベイクドチーズケーキ」(各400円)など8種類ほどで、絵心のある小野さんの盛り付けもキュートです。秦野生まれの小野さんが話すこの地域の歴史や文化の話を聞くのも、楽しいひと時ですよ。
今は使っていない2階と3階は、レンタルスペースになっています。床の間のある広い座敷は3月には雛人形がいくつも飾られるほか、大きな上げ下げ窓のある板敷の部屋はイーゼルや絵画が置いてあり、まるで画廊のよう。お店の状況にもよりますが、タイミングが合えば見学させていただけるのだそう。大正から昭和にかけてのレトロな雰囲気を楽しんでくださいね。

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