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砂糖の量は30〜60%をお好みで。小豆島の農家が教える、完熟レモンのジャムレシピ

  • 2023年5月15日
  • コロカル

小豆島で実り始めたレモンの赤ちゃん

国産レモンの旬の時期っていつだかご存知ですか?スーパーなどでは、海外産のレモンが1年中販売されているので、旬がいつなのかって意外とわからないですよね。夏にシュワッと飲みたくなるレモンソーダですが、国産のレモンを収穫できるのは秋から春の間なんです。

ちょっとここで、小豆島でのレモンの1年についてご説明。春になると赤い新芽がでてきてつぼみが膨らみ、5月頃にたくさんの花が咲きます。実はレモンは四季咲きで、5月、7月、9〜11月頃に花を咲かせるのですが、しっかりとした大きさの実に成長するのは春に咲いたもの。まさに今、うちのレモンの木にはたくさんのつぼみがついています。

5月の青空、新緑、レモンの花。

5月の青空、新緑、レモンの花。

レモンの花のあとに、濃い緑色の小さな果実ができます。レモンの赤ちゃん。これが、梅雨の時期から夏にかけてぐんぐん成長していきます。10月頃になると、大きさは一般的に販売されている100グラムくらいの大きさになります。まだ黄緑色で果汁は少ないですが、爽やかな香りと酸味が最高の「グリーンレモン」として一部収穫をはじめます。グリーンレモンというのはそういう品種があるわけではなく、黄色く色づく前の若いうちに収穫したレモンです。

9〜10月頃のレモン。まだ黄色く色づく前の状態。フレッシュな香りが最高。酸味と苦味が強く、果汁は少ない。

9〜10月頃のレモン。まだ黄色く色づく前の状態。フレッシュな香りが最高。酸味と苦味が強く、果汁は少ない。

12月頃には、熟し始めて黄色に色づきます。一般的に流通しているレモンは12〜1月頃に収穫されたものだと思います。だいだい100〜150グラムくらいの大きさでしょうか。

レモンのほかにも温州みかんや橙(だいだい)など小豆島では冬は柑橘の収穫シーズン。

レモンのほかにも温州みかんや橙(だいだい)など小豆島では冬は柑橘の収穫シーズン。

レモンを冬に収穫せずに木につけたままにしておくと、春頃まで熟し続けどんどん大きくなっていきます。実はレモンってよく見るサイズよりももっと大きく育つものなんです。ただ、長い間実をつけておくことは木にとっては負担がかかることですし、枝や葉とこすれて傷なども増えていくので、早めに収穫されることが多いです。

春まで木につけたまま完熟したレモンってどんなものになるのか。気になりますよね。はい、こんな感じです。

5月に収穫した完熟レモン。第一印象は「でっかい!」。

5月に収穫した完熟レモン。第一印象は「でっかい!」。

重さを測ってみると、ひとつ300グラムのレモンも。

重さを測ってみると、ひとつ300グラムのレモンも。

ひとつ200グラム以上のサイズまで成長します。普段見慣れているレモンよりもだいぶ大きいので、これって違う品種のレモン? って思ってしまいます。完熟したレモンは果汁たっぷり。糖度が増しているので、若い頃のレモンに比べてまろやかな酸味がとてもいい。そして苦味がほぼない! 白いワタの部分も食べてみましたが、ほとんど苦味がなく、果肉、ワタ、皮と丸ごと食べられます。おいしいなー、完熟レモン。

レモンジャムのつくり方

白いワタの部分がだいぶ分厚くなっています。グレープフルーツみたい。

白いワタの部分がだいぶ分厚くなっています。グレープフルーツみたい。

さて、この完熟レモンの良さを生かすには何がいいかな。苦味が少なくて、まろやかな酸味、果汁たっぷり、大きいサイズ。

レモンジャムだ!

柑橘のジャム、マーマレードをつくるとき、手間がかかるのは皮の苦味を抜く作業。皮と実を別々にしないといけないし、皮は何度かお湯を変えて茹でないといけない。これが、手間がかかるんですよね。

完熟したレモンはほとんど苦味がない。ということは、皮つきのまま、いちょう切りくらいにカットして、砂糖を足して炊くだけ!なんと簡単。

もう少し詳しく書くと、

1.レモンをよく洗って、汚れを落とす(農薬をつかっていないものがいいですね)。

2.いちょう切りなど好みの大きさにカットする。真ん中のスジや種は取り除く。

3.カットしたレモンをボールに入れて、好きな砂糖をまぶしてしばらく置いておく。

  浸透圧でレモンの水分を出しておくと、鍋で炊き始めたときに焦げずに上手にできる。

4.レモンと砂糖を鍋にいれて10〜15分くらい炊きます。

  砂糖はレモンの30〜60%くらいの量をお好みの甘さで。

5.消毒した瓶に入れて完成!

大きな完熟レモン。よく洗ってから、ざくざくカットしていきます。

大きな完熟レモン。よく洗ってから、ざくざくカットしていきます。

皮も白いわたも果肉も分けずに小さく切るだけ。

皮も白いわたも果肉も分けずに小さく切るだけ。

何がうれしいって、捨てるのはヘタの部分と大きなスジの部分と種だけ。ほぼ丸ごとジャムになります。

何がうれしいって、捨てるのはヘタの部分と大きなスジの部分と種だけ。ほぼ丸ごとジャムになります。

完熟レモンが手に入ったら、ぜひレモンジャムをつくってみてください。HOMEMAKERSのオンラインストアでも販売中なので(売り切れ次第終了です)、気になる方はぜひ。

シーズンによって変わるレモンの楽しみ方。春収穫の完熟レモンで簡単レモンジャムづくり。果汁をしぼってガムシロップと炭酸水と混ぜて、簡単レモンソーダもおいしそう。春のレモンの味を楽しみましょ。

白いワタの部分が透明になるくらいまで弱火で炊きます。この時点ではちょっと水っぽいかなと思っても、冷めるとかなり固くなります。

白いワタの部分が透明になるくらいまで弱火で炊きます。この時点ではちょっと水っぽいかなと思っても、冷めるとかなり固くなります。

できあがったレモンジャム。パンに塗って食べたり、ヨーグルトに混ぜたり。

できあがったレモンジャム。パンに塗って食べたり、ヨーグルトに混ぜたり。

information

HOMEMAKERS 

住所:香川県小豆郡土庄町肥土山甲466-1

営業時間:土曜のみ 11:00〜17:00(L.O. 16:00)*冬季休業

Web:HOMEMAKERS

writer profile

Hikari Mimura

三村ひかり

みむら・ひかり●愛知県生まれ。2012年瀬戸内海の小豆島へ家族で移住。島のなかでもコアな場所、地元の結束力が強く、昔ながらの伝統が残り続けている「肥土山(ひとやま)」という里山の集落で暮らす。移住後に夫と共同で「HOMEMAKERS」を立ちあげ、畑で野菜や果樹を育てながら、築120年の農村民家(自宅)を改装したカフェを週2日営業中。https://homemakers.jp/

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