東京の南西に位置する横浜は、日本の重要な港湾です。小さな漁師町から、近代的で刺激的な都市へと発展し、いまでは日本の商業の中心地でもあります。2022年6月に開業した〈ウェスティンホテル横浜〉は、みなとみらいの新たな商業地域に位置し、国内最大の中華街や東京、鎌倉をはじめ、国指定名勝として知られる〈三渓園〉など、人気観光スポットへの便利なアクセスを誇ります。羽田空港へは車で25分、東京へは電車で36分と、国内外からのアクセスも良好です。
館内のデザインは同じくマリオットブランドが手がける〈JWマリオット・ホテル奈良〉と同様、ロンドンの大手建築設計事務所のG.Aデザインによってデザインされています。風にたなびく帆船をイメージした外観など、横浜の港、コミュニティ、そして自然環境からインスピレーションを得て、この地とのつながりを演出しています。
ホテルエントランスには「ヴォンヴォヤージュ」というタイトルのアート作品があり、水の音と共にセンサリーウェルカムを演出。内装の鉄や金属がアクセントとなっている天然石や木材は、旅先の情景を映し出したものです。
23階のロビーからは神奈川県の山々や、晴れた日には富士山を望み、横浜市を一望する絶景が広がります。ロビーには、約1分50秒で光がゆらめく木漏れ陽を彷彿とさせるシャンデリアで日本発祥の概念である「森林浴」を表現。レセプションの壁など館内各所にはグリーンウォールを見ることができます。
客室は自然とのつながりを感じられる要素を取り入れながら船内の窓を模した洗面台の丸い鏡や、船舶照明をイメージしたライトなど港町ならではの趣向を凝らしたデザインで統一。
床から天井まで広がる大きな窓からは、横浜の街並みや美しい湾の景色を眺めることができ、ホテル周辺との一体感をより高めています。
一部の客室のミニバーには、横浜や神奈川ゆかりのスナックが備え付けられている。
また客室に用意されている飲料水は、館内に設置された最先端の浄水システムで、スウェーデン発祥の「ノルダック・プレミアムウォーター」を用いて瓶詰めされたものです。国内マリオットブランドのホテルで初めて、全館でのリサイクルボトルでの飲料水を提供しています。さらに、消費エネルギーを極力抑えるべく、全ての客室の温度を検知し、使用電力を必要最低レベルに管理する最新型のセンサーを導入。SDGsの課題解決にも取り組んでいます。
横浜の歴史や食文化を体現した5つのダイニングエクスペリエンス5か所のバラエティ豊かなダイニングでは一貫して「地産地消」を掲げています。横浜港が鉄鋼の貿易で栄えた事にちなんで名づけられた〈アイアン・ベイ〉は、最上階の23階にある直火焼きグリルを備えたホテルのシグネチャーレストランです。
横浜市の市花がバラであることから、ウェイティングスペースや個室の天井にはバラをモチーフにした立体的な照明が設けられています。
〈アイアン・ベイ〉では炭と炎、煙をテーマに希少な横濱牛のステーキなど、神奈川県や近郊から調達された朝獲れの魚介類、農家直送の野菜や果物を使用した料理を味わうことができます。
2023年3月には〈トロワグロ〉フランス本店、〈キュイジーヌミッシェルトロワグロ〉など一流のミシュラン星付きフレンチレストランにて研鑽を重ね、近年では〈フォーシーズンズホテル東京大手町〉の〈EST(エスト)〉にてスーシェフを務めた山下正太シェフが新料理長に就任。5月24日より山下シェフ率いる新体制でのメニューが提供されます。山下シェフはワインソムリエの資格も持っており、ワインとの相性をも計算した極上のペアリングメニューが提案される予定です。
ホテル3階に位置するのは、横浜の元町にあるようなヨーロッパ料理のレストランをイメージしたオールデイダイニングの〈ブラッスリー・デュ・ケ〉です。朝食ブッフェでは、焼きたてのペストリーはもちろん神奈川抹茶クリームチーズなどの地産メニューや、中華街が近いことにちなんだ点心、グルテンフリーの米粉パンや、特製ベジタリアンしそ焼きそばなどが揃います。
隣接する日本料理の〈喫水線(キッスイセン)〉も同じくオールデイダイニングです。店名の〈喫水線〉は「船と水面が交わる線」という意味で横浜がシルクで栄えたことにちなみ、店内の天井には機織り機をイメージした木組が施されています。
〈喫水線〉の一角には、アイスクリームスタンドも併設。横浜の馬車道が砂糖の輸出入が盛んなことからアイスクリームが日本にもたらされた場所ということに由来します。スタンドでは、常時5種類揃うフレーバーからお好みの味と、お好みのトッピングを選び最中でサンドした和のエッセンスも感じるアイスクリームが味わえます。
23階に位置する〈シュガー・マーチャント〉も、横浜が砂糖で栄えたまちであることにちなみ名付けられたペストリーショップです。〈シュガー・マーチャント〉に隣接する〈ロビーラウンジ〉は季節ごとに内容が変わるアフタヌーンティーが人気。
2023年4月16日には、「クープ・デュ・モンド・ドゥ・ラ・パティスリー 日本予選」や「トップ・オブ・パティシエ・イン・アジア」など数々の受賞歴を誇り、近年では〈JWマリオット・ホテル奈良のペストリーシェフ〉を務めた白山隆浩氏が新エグゼクティブ・ペストリーシェフに就任しました。
ドリンクは定番のコーヒー、紅茶だけでなくアフタヌーンティーでは〈ロンネフェルト〉のティーセレクションをフリーフローで味わえるほか、横浜市都筑区内にある〈アトリエ ドゥ エブリュッシェ〉と提携し、オリジナルのハーブティーを豊富に取り揃えています。湘南ゴールドとカブの葉、紅梅を合わせたブレンドハーブティーなど緊張やストレスで凝り固まった心や身体をほぐすこの地ならではの一杯が味わえます。
船の形をイメージした楕円形のバーカウンター
隣接する〈コード・バー〉には、神奈川県の郵便番号制度の各エリアにちなんだクラフトカクテルやミクソロジストによる逸品、趣向を凝らしたモクテルなどがラインナップ。
「ヘブンリーベッド」と「マティーニVS北京ダック」。
〈ウェスティンホテル横浜〉の郵便番号220-0012 を冠する「ヘブンリーベッド」(3,200円)では、季節ごとにさまざまなスタイルのカクテルを提供。第6弾は日本の春を象徴する桜をモチーフにしたシャンパンカクテルです。横浜中華街の郵便番号では、北京ダックソースとカクテルの王様であるマティーニを合わせた「マティーニVS北京ダック」(2,300円)、飲兵衛の聖地・野毛の郵便番号では「とりあえず、生」ならぬ「とりあえず、浜」(2,000円)と名付けられたヘルシーなハイボールなど、遊び心あふれるカクテルが揃います。
店内の壁には、横浜から三浦半島までの海岸線を古地図のように描いたアート作品もディスプレイされています。
横浜みなとみらいを巡るランイベントなど、ウェルネスな取り組みも充実ホテル5階には、1000平方メートルを超えるウェルネス専用フロアがあります。
プール利用は宿泊者ひとり一滞在あたり大人2200円、11歳以下1100円。
ここには日本初登場となるホテル名を冠したスパ施設〈Heavenly Spa by Westin(ヘブンリースパ バイ ウェスティン)〉を完備。
さらに屋内プールおよびTRX のトレーニングマシンを有する最先端の〈Westin WORKOUT(R) Fitness Studio〉も備えています。
2023年4月8日に開催された「runWESTIN with On from Yokohama to Tokyo」の様子
また同ホテルでは、横浜みなとみらいのウォーターフロントエリアを巡る4キロメートルまたは6キロメートルのランニングマップを提供する「runWESTIN(R)プログラム」があるほか、隔月でランイベントも開催。ランニングをしながら、風光明媚な横浜の景色や、魅力的なスポットを堪能できます。
シューズやウェアのほか、〈Hyperice〉の「リカバー&リチャージキット」と全身筋力トレーニングができる〈Bala〉の「スカルプト&フローキット」を各一泊500円でレンタル可能
さらにこの春からは、ゲストがランニングシューズやウェアをレンタルすることが出来るサービス「WestinWORKOUT(R)ギアレンディング」プログラムもリニューアル。手ぶらで宿泊しても気軽に横浜ランを楽しめるほか、好きなタイミングで全身筋力トレーニングや、ランニング後のリカバリーを行えます。
横浜通な人でも知らないような知見や魅力にあふれたウェスティンホテル横浜。知られざる神奈川、横浜の魅力を五感で堪能してみては?
information
ウェスティンホテル横浜
住所:神奈川県横浜市西区みなとみらい4丁目2番8号
電話番号:045-577-0888
一泊一室:デラックスルーム 40000円〜、エグゼクティブ・スイート約70000円〜(ともに税サ込)
Web:〈ウェスティンホテル横浜〉オフィシャルサイト
*価格はすべて税込です。*メニューや価格は時期により異なります。
writer profile
Riho Nakamori
中森りほ
なかもり・りほ●東京生まれ東京在住のフリーライター/編集者。仕事やプライベートで月に1回以上、地方や海外へ。各地のおいしい食べ物やお酒、素敵なホテルや旅館を発掘するのが趣味。好きな番組は『ブラタモリ』『六角精児の呑み鉄本線・日本旅』。