こんにちは。「食べもの・お金・エネルギー」を自分たちでつくる〈いとしまシェアハウス〉のちはるです。
糸島では日差しが少しずつ強さを増し、早くも夏の空気が流れるようになりました。そして、近所のお裾分けでタケノコをいただくようになると、いよいよ春が終わったな、と感じます。
さて、田舎暮らしをして10年。タケノコほど急いで下処理にとりかからなくてはいけない食材はないと思っています。
タケノコは掘ったその日からどんどんえぐみが強くなるので、すぐにアク抜きをしなければいけません。また、下処理をして水に浸けたタケノコも数日で傷んでくるので、食べきるにも急がなければならないのです。
タケノコはとにかく「早く下処理・加工する」ことが大切。今回は、毎年たくさんのタケノコを収穫&いただく私たちの、調理・加工・保存のノウハウをシェアしたいと思います。
・簡単! タケノコのアク抜き
・常温で1年以上保存可能! タケノコの天日干し
・冷蔵で1か月楽しめる! タケノコのオイル漬け
タケノコを、おいしく、楽しく、食べきる我が家のアイデア、ぜひ試してみてください。
掘り立てのタケノコ。
タケノコの保存食づくり、娘も手伝って(?)くれるようになりました。
皮つきのタケノコの場合は、可食部に沿って皮に切り込みを入れます。これによって、旨みを残しながらもアクが抜け、火が通りやすくなります。
タケノコが浸るくらいの水を入れた鍋に、アク抜きのためのお米大さじ1(お米の研ぎ汁でもOK)と、鷹の爪をひとつ入れ、加熱。普通の鍋なら40〜60分くらい。圧力鍋ならお鍋がシューシューと音を立ててから10分ほど煮て火を止めます。
掘ったばかりのタケノコは庭のかまどでグツグツ煮ます。
我が家の場合、少量のタケノコなら圧力鍋を使いますが、コンテナいっぱいにタケノコを収穫したときは、庭のかまどで火を焚き、大きな鍋でグツグツ煮ます。アク抜きができたら冷めるまで置き、流水で洗って、水を入れた密閉容器で保存します。
※タケノコにえぐみが残っているようなら、少し手間ですがもう一度アク抜きしてみてください。
掘りたてのタケノコは、栗のようにほっくりとした味わい。
タケノコをそのまま持ち帰ると大量の皮を処分するのが大変なので、我が家では皮は山で剥いて、すぐに家で煮ます。
〈いとしまシェアハウス〉では、タケノコは天日干しにし、保存食にします。常温で1年以上保管できるうえに、旨みが増していいことずくめ!
掘ってきたその日のうちに干さなければならないので、収穫日は1年分の干しタケノコを仕込む大仕事になります。
ざるに広げて天日干しをします。
<タケノコの天日干しのつくり方>
・タケノコのアク抜きをする
・3ミリ程度の厚さに切って、ざるで2〜3日干す
・水分がなくなってカラカラになったら完成!
乾燥したタケノコは、乾燥剤と一緒に密閉できる容器で保存します。小さく縮むので、量も減って保存するのが楽。水で戻せば旨みたっぷりの出汁がとれるので、我が家では「調味料」としても重宝します。
天日干し中の、ちょっと乾燥したタケノコ。旨味がギュッと濃縮しておいしいので、ついついつまみ食いしてしまいます。
カチカチに乾燥したタケノコ。生の状態から3分の1くらいの大きさになります。
<干しタケノコを使った料理>
・ラーメンや中華風スープの出汁に
・おこわなどの炊き込みご飯に
出汁をとるだけじゃなく、もちろんタケノコ本体も食べられます。フレッシュな生タケノコとは少し違い、コリコリとした歯応え。塩を入れていないのにほのかな塩味があり、噛めば噛むほど強い旨みが。天日干しならではの風味です。
保存ができて、出汁もとれて、おいしく食べられる。使い方としては、干しシイタケに近いイメージでしょうか。
冷蔵で1か月楽しめる! タケノコのオイル漬けオイル漬けなら簡単に保存食がつくれます!
水に浸けたタケノコは数日で傷んでしまいますが、オイル漬けなら冷蔵庫で1か月ほどもちます。簡単なおつまみにもなるので、ぜひ試してみて!
<タケノコのオリーブオイル漬け>
・アク抜きしたタケノコを食べやすい大きさにカットし、水分を拭きとる
・熱湯消毒した瓶にタケノコ、スライスニンニク、鷹の爪(あれば)、塩を入れる
・タケノコが浸るまでオリーブオイルを入れる
タケノコのコリコリした食感がおいしい。冷蔵保存の場合、1か月ほどを目安に食べ切ってください。
お好みでローリエなどのスパイスを入れてもOK!塩はオリーブオイルの量に合わせて調整してください。数日おいたほうが味が馴染んでおいしく仕上がります。
そのまま食べてもよし、パスタなどに合わせてもよし、万能保存食です。タケノコの風味が染み込んだオイルをパンにつけて食べるとやみつきになります!
<メンマ風! ゴマ油漬け>
ゴマ油の風味が食欲をそそります。
・アク抜きしたタケノコを食べやすい大きさにカットし、水分を拭きとる
・熱湯消毒した瓶にタケノコ、スライスニンニク、塩を入れる
(韓国粉唐辛子、花椒、細切りの生姜、ゴマなど追加してもおいしい!)
・タケノコが浸るまでゴマ油を入れる
香りだけでご飯が食べられちゃいそうなほど、食欲を刺激する香りです。ビールや日本酒など、晩酌のお供にもぴったり! お豆腐に乗せて食べてもおいしいです。
スパイスの香りを生かしたい場合は、鍋にゴマ油を入れ、韓国粉唐辛子、花椒、細切りの生姜、ゴマなどを入れてさっと温めます。香りが出てきたら、熱いうちにタケノコの入った瓶にスパイスごと注ぎ込んでください。(温度差で瓶が割れないようご注意ください)
<ひと手間かけて、もっとおいしく!>
軽く焦げ目をつけると、さらに美味。
オイル漬けにする前に、タケノコに焼き目をつけておくと香ばしくさらにおいしく仕上がります。ただ、オイルの風味が染み込むのに少し時間がかかるので、数日置いてから食べるのがおすすめ。
下処理にも、食べるにも、スピード命のタケノコですが、天日干しやオイル漬けならゆっくりおいしく楽しめます。もしタケノコが手に入ったら、今回のタケノコレシピを参考にしてみてくださいね!
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CHIHARU HATAKEYAMA
畠山千春
はたけやま・ちはる●新米猟師兼ライター。3.11をきっかけに「自分の暮らしを自分でつくる」活動をスタート。2011年より鳥を絞めて食べるワークショップを開催。2013年狩猟免許取得、狩猟・皮なめしを行う。現在は福岡県にて食べもの、エネルギー、仕事を自分たちでつくる〈いとしまシェアハウス〉を運営。2014年『わたし、解体はじめました―狩猟女子の暮らしづくり』(木楽舎)。第9回ロハスデザイン大賞2014ヒト部門大賞受賞。ブログ:ちはるの森