
Appleデバイスで動作する生成AI「Apple Intelligence」、いったい何ができるのでしょうか。「普段の生活にどれほど役に立つの?」という疑問を持つ人向けに「Apple Intelligence」の便利な機能について紹介します。
Appleは2025年4月1日、Appleの生成AI「Apple Intelligence」の日本語対応を開始しました。
Apple Intelligenceは2024年10月に提供を開始していましたが、その時点では英語のみ。2025年4月から対応言語と地域が拡張され、日本語でも利用できるようになったのです。
■Apple Intelligenceの主な機能
Apple Intelligenceでできることはたくさんありますが、主な機能は以下の通りです。
・写真のクリーンアップ(不要な要素を削除)
・自然な言葉での写真の検索
・作文ツール
・メール、Webページ、通知の要約
・画像生成(ジェン文字、Image Playground)
・調べ物(SiriからChatGPTを呼び出す)
■ChatGPTやGeminiと方向性が異なる生成AI
生成AIといえば、「ChatGPT」(OpenAI)や「Gemini」(Google)など、すでに有名なものがありますね。Appleは出遅れていると言われることもありますが、Apple Intelligenceは前述の生成AIとは方向性が異なり、Appleデバイスをさらに便利に使いこなすための生成AIなのです。
また、Apple Intelligenceはこちらの情報をクラウドにアップして処理させるのではなく、それぞれのデバイス上で実行します。そのため、メールや写真などのプライベートな情報も安心して預けることができます。
残念ながら、Apple Intelligenceが利用できるのは、iPhone 16シリーズ、iPhone 15 Proシリーズ、A17 ProまたはM1以降を搭載したiPad、M1以降を搭載したMacに限定されています。対象のデバイスを持っている方は、これから紹介する機能を試してみてください。「すでに利用している機能がApple Intelligenceだった」という人もいるかもしれませんね。
■Apple Intelligenceでできること
それでは、Apple Intelligenceの機能の中から、特に便利な機能をそれぞれ紹介していきます。
▼写真のクリーンアップ(不要な要素を削除)観光地で撮影した写真に知らない人が映り込んでしまった時、その人物を消すことができます。消した箇所には画像を生成して、自然な背景を作成してくれます。Androidの「消しゴムマジック」と同様の処理をApple Intelligenceでもできるのです。
写真を開き「クリーンアップ」を押すと、クリーンアップする候補が選択され、きらきらと輝きます。選択された箇所をタップすると、自然に消えます。選択された箇所以外を消したいときは、指でぐるっと囲めばOKです。
▼自然な言葉での写真の検索「写真」では、見たい写真の検索が簡単にできるようになりました。「2025年の〇〇」など、年月を指定して探したり、「寝ている猫」など動作を指定することもできます。写真内のテキストや位置情報からも見つけられます。
▼作文ツール「作文ツール」は、入力したテキストを適切な言い回しに変更したり、書き直したりできるツールです。例えば、欠席の連絡を送るとき、「もっと堅い文章にしたい」とか「もう少し謝罪の気持ちを入れたい」などの変更ができます。
ここでは例として、「メモ」に記述したテキストを「作文ツール」で編集する様子を紹介しますが、他のアプリでもApple Intelligenceボタンを押すと、同様のことができます。
▼メール、Webページの要約Apple Intelligenceは、「要約」も得意です。細かなやりとりをメールで繰り返していると、結局どうなったのか分かりづらくなる時がありますね。そんなとき、数通のメールで大事なポイントを要約してくれます。
Webページのテキストも要約できます。まずはポイントをつかんでおき、後からじっくり読むといった使い方ができますね。記事の要約は、「リーダー」に表示を切り替えて行います。
▼画像生成(ジェン文字、Image Playground)Apple Intelligenceを使って画像を生成することもできます。絵文字を作れる「ジェン文字」、オリジナル画像を作成する「Image Playground」です。
ジェン文字はiMessageでちょうどいい絵文字がないとき、Image Playgroundはキーワードや元画像から画像を生成したいときなどに使えます。Image Playgroundを使って生成した画像は商用利用も認められていますが、元となる画像がある場合は肖像権が発生する可能性もあります。
▼調べ物(SiriからChatGPTを呼び出す)Apple Intelligenceの設定で「ChatGPTを有効にする」をオンにすると、Siriを使った検索でChatGPTを呼び出すことができます。デバイスにChatGPTアプリをインストールする必要はありません。
Apple Intelligenceは、Appleのデバイスで手軽に生成AIを利用できます。特に「クリーンアップ」は、すぐにでも使いたい機能ではないでしょうか。家族や友人と撮った写真に不要なものが写ってしまったときには、ぜひ試してみてくださいね。
▼鈴木 朋子プロフィールITライター・スマホ安全アドバイザー。スマホ、SNS、Webサービスなど、身近なITに関する記事を執筆している。初心者がつまずきやすいポイントをやさしく解説することに定評がある。中高生のスマホ事情にも詳しく、二人の娘を持つ母親でもある。
鈴木 朋子(iPhone・SNSガイド)