サイト内
ウェブ

「国立公園」 詳細解説

読み:
こくりつこうえん
英名:
National Park

国立公園とは、すぐれた自然の風景地を保護するとともに、その利用の増進を図り、国民の保健・休養に役立てる目的でつくられる公園のことだ。国立公園制度は、1872年に米国のイエローストーン国立公園の創設により誕生したといわれている。日本の国立公園は自然公園制度という体系の中に含まれており、自然公園には国定公園と都道府県立自然公園も入る。国定公園は、国立公園に準ずる優れた自然の風景地で、都道府県の申出により環境大臣が指定し、全国で56カ所が定められている。都道府県立自然公園は、都道府県の風景を代表する傑出した自然の風景であることが要件で、都道府県条例が根拠となる。

1931年に、国立公園制定を求める国民の要請を受けて国立公園法が制定され、その後、当時の内務省が全国を回って適地を探し、1934年に「雲仙国立公園」「霧島国立公園」「瀬戸内海国立公園」の3つがわが国最初の国立公園に指定された。その後、公園指定作業が進み、同年に「阿寒」「大雪山」など5つの国立公園が指定された。戦後になってからも国立公園が追加され、1957年には国立公園法が廃止となって自然公園法が制定され、現在の自然公園の体系が確立した。1987年に「釧路湿原」、2007年に「尾瀬国立公園」、2013年には三陸復興国立公園が指定された。国立公園の総面積は209万9606haで、国土面積の約5.55%を占める。

国立公園の監督官庁は、当初内務省だったが、1938年に厚生省国立公園部に移管され、その後1971年に環境庁に、さらに2001年の環境省発足で同省の自然環境局に移管された。日本の国立公園の特長は、米国などのように国土が広くないため、多くの民有地も含んで指定されていることだ。そのため、集落や住宅地があったり、農林業などが行われたりしている公園もある。このため、国立公園の管理は、人々の暮らしや産業と調整しながら行われている。

国立公園の自然環境を守るために、国ではさまざまな施策を行っていて、たとえば、ウミガメが卵を産みにくる砂浜などには自動車の乗り入れを禁じている。尾瀬、上高地などでは、車が乗り入れた場合、自然環境や生態系に影響が出るところではマイカーの乗り入れを禁じ、観光客をバスで運ぶような措置がとられている。また、自然観察会などの解説や美化清掃、利用施設の維持修理などに、多くの市民が参加できるように、「パークボランティア」制度を設けている。パークボランティアは、全国7ブロックにある地方環境事務所が募集し、研修を受けたあと登録され、必要に応じて活動するシステムになっている。

国内でトレイルランニング大会が開かれるようになる一方で、そのコースが自然豊かな国立公園などに設定されるようになった。環境省は2015年3月に、国立公園内におけるトレイルランニング大会などの取り扱いに関する通知を発出した。

キーワードからさがす

gooIDで新規登録・ログイン

ログインして問題を解くと自然保護ポイントが
たまって環境に貢献できます。