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「地球温暖化」 詳細解説

読み:
ちきゅうおんだんか
英名:
Global Warming

地球温暖化は、大気中の二酸化炭素(CO2)やメタン、フロンガスなどのいわゆる「温室効果ガス」が増加することによって起こると考えられている。地球には太陽から膨大なエネルギーが降り注いでおり、温められた熱は赤外線として宇宙空間に放出される。地球を取り巻く温室効果ガスは赤外線を吸収するため、地球の大気の平均気温を約14度に保っており、もしガスがなければマイナス19度前後に下がってしまう。反対に温室効果ガスが増えていくと、宇宙に熱が放出されにくくなって気温が上昇し、温暖化が進行する。

温室効果ガスのなかでも、石炭や石油などの化石燃料を燃やす際に出るCO2の影響が大きい。産業革命の頃から今に至るまで進んだ工業化の主なエネルギーとして化石燃料が使われてきたことから、大気中のCO2濃度は、産業革命以前の平均的な値である280ppmに比べて、約4割増加した。また、地球の人口が飛躍的に増加し、エネルギーの消費量が飛躍的に増加したことも、温室効果ガスの排出を増大させている。20世紀における温暖化の度合いは、過去1000年のいかなる世紀と比べて最も大きかった可能性が高い。

気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が2014年に取りまとめた第5次評価報告書によると、世界全体の平均気温は1880年から2012年の間に0.85度上昇し、それに伴い平均海面水位が20世紀中に19cm上昇した。また、気候システムに対する人間の影響は明瞭であり、人為起源による近年の温室効果ガス排出量が史上最高となっていると指摘している。同報告は複数のシナリオに基づく将来予測を行っており、将来排出量が最も多いシナリオでは、今世紀末に最大で気温が4.8度上昇する見込みだ。

さらに、海水の膨張や氷河の溶解などによって海面水位が上昇し、自然や人間社会のシステムに悪影響を及ぼす。IPCCは、海面が82cm上昇すると予測している。また、淡水地域への塩水流入による農作物への被害、極端な大雨の増加、熱帯低気圧の強化、極端な気象現象の発生、アジアにおける淡水利用可能性の減少、浸水リスクの増加、伝染病の発生などが指摘されている。温暖化による生態系と社会への影響を軽減するには、2050年時点の温室効果ガス排出量を2010年比で40~70%減らし、世界の平均気温上昇を産業革命前に比べて2度未満に抑える必要がある。

温暖化に対する国際社会による本格的な取り組みは、1992年にリオで開催された地球サミットにおける気候変動枠組条約の採択に始まる。1997年に京都で開かれたCOP3では、先進国の温室効果ガスの排出削減目標を定めた法的拘束力のある京都議定書が採択された。同議定書は、2005年にアメリカ抜きで発効し、2008年に2012年までを期限とする第1約束期間が始まった。温室効果ガス排出量を1990年比で6%削減する義務を負った日本は、地球温暖化対策推進法を制定して各主体による温暖化対策への取り組みを促した。また、省エネ法を改正して、工場でのエネルギー使用合理化や各種機器の省エネ基準を強化した。

その後も、京都議定書以降の「ポスト京都」についてCOPの場で議論が続けられ、2012年にカタールドーハで行われたCOP18において、同議定書を8年間延長する案が合意された。しかし、前年のCOP17において同議定書の第2約束期間への不参加を表明した日本は正式に離脱した。こうした状況の中、2014年9月に米国・ニューヨークの国連本部で開催された「国連気候サミット」で、二大排出国の米国と中国が、温室効果ガスの削減を率先して目指すと宣言した。日本にも一層の取り組みが求められている。

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