サイト内
ウェブ

「水質総量規制」 とは

読み:
すいしつそうりょうきせい

 工場などの排水に含まれる汚濁物質量を、濃度ではなく含まれている量に着目して規制すること。わが国では濃度による規制基準が行われてきたが、人口や産業が集中し、窒素やリンによる富栄養化や汚濁が激しい内湾や内海、湖沼などの閉鎖性海域での水質改善には効果的ではなかった。東京湾や伊勢湾、瀬戸内海では赤潮が発生し、東京湾では青潮も発生した。このため、公共用水域の水質汚濁に与える影響が大きいCOD(化学的酸素要求量)について、水質汚濁防止法の規定に基づき、東京湾、伊勢湾、瀬戸内海で1979年から水質総量規制が実施された。水質総量規制は、目標年度や発生源・都府県別の削減目標量に関する「総量削減基本方針」を環境大臣が定め、都府県知事が同方針に基づいて削減目標量達成のための「総量削減計画」を策定し、その計画について環境大臣の同意が得られて動き出す。関係都府県は総量削減計画で設定した汚濁負荷量の削減目標を達成するため、下水道などの生活排水処理施設の整備や、工場や事業場に対する総量規制基準の設定を行う。2001年に基本方針が策定された第5次水質総量規制では、窒素、リンに関する規制が導入され、20都府県の関係地域が対象地域となった。その結果、東京湾、伊勢湾、大阪湾などの水域で水質の改善がみられたが、COD、窒素、リンの環境基準達成率の改善はまだ不十分だ。また、貧酸素水塊の発生など、生物がすみにくい環境であることにかわりはない。こうした状況を受けて、2006年11月に基本方針が策定された第6次水質総量規制は、1) 東京湾、伊勢湾、大阪湾では負荷削減などの対策を進めること、2) 大阪湾を除く瀬戸内海では海域のCODの悪化を防ぐこと、3) 窒素とリンについては現状を維持すること、などを目的として、各種対策を行うとしている。

キーワードからさがす

gooIDで新規登録・ログイン

ログインして問題を解くと自然保護ポイントが
たまって環境に貢献できます。