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「自然冷媒」 とは

読み:
しぜんれいばい
英名:
Natural Refrigerant

自然界に存在する物質の中で、冷凍や空調用の冷媒になりうる物質のこと。主なものとして、アンモニア、二酸化炭素(CO2)、イソブタン、プロパンなどがある。冷媒としては、フロンがその安定性や安全性の高さから広く使われていた。しかし、1987年にオゾン層破壊物質に関するモントリオール議定書が採択されるなど、オゾン層破壊物質であるフロンに対する規制が強まり、フロンを用いない冷媒への関心が高まった。

自然冷媒は、オゾン破壊係数がゼロであるのはもちろん、代替フロンと違って地球温暖化係数が低いなどの利点がある。しかし、プロパンやアンモニアなどはエネルギー効率がよい反面、可燃性で有害でもあり、安全面で問題がある。空気も自然冷媒として使用できるが、エネルギー効率が超低温域以外では高くないなどの課題がある。炭化水素ガスは可燃性のため、安全性への懸念もあったが、近年の技術の進歩により、家電メーカーが製品の実用化に成功している。

欧米を中心に、可燃性や毒性がなく、自然界に多く存在する経済的なCO2の冷媒としての活用が注目された。CO2冷媒は従来の冷媒に比べて高い動作圧を必要とするため、高効率なコンプレッサーの開発が課題だったが、メーカーによる製品開発が進んでいる。パナソニックは、業務用冷凍空調機器の冷媒にCO2冷媒を採用したノンフロン冷凍システムを完成させ、2013年の省エネ大賞を受賞した。自然冷媒冷凍装置の導入費用は従来製品に比べて高額であるため、環境省が導入に向けた補助を行っている。

改正フロン法(フロン排出抑制法)の施行に伴い、冷凍空調機器等のメーカーや輸入業者による自然冷媒などのノンフロン製品へ転換が進むことが期待されている。

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